July 12, 2009

ゆく川の流れは絶えずして

遂に、ホームベーカリーが我が家にも導入された。クレジットカードのポイントがたまったので、交換したのだ。

ホームベーカリーというのは、読んで字の如く、ホームにおいてベーカリー的な仕事をしてくれる機械である。クックパッドでパンのレシピを見ていると、HBとか書かれているあれである。最初みた時は鉛筆の芯のやわらかさかと思った。
クックパッドを見ている限りでは、「こね」の工程を彼、HBに任せることによって世間の主婦は楽しているらしい、まったくけしからんけしからん、と思っていた。パン作りの大変さは「こね」にあるというのに、その醍醐味をHBなんかに譲ってよいものか。

まあしかしだ。
パン作りというのは時間がかかる。発酵が2回くらい必要で、しかもさせすぎると逆にふくらみが悪くなるという困った手間のかかる子なので、あんまり目を離せないのに、トータル4時間とか5時間とかかかってしまうのである。つまり、その時間気が抜けない。
ホームベーカリーはその「こね」「発酵」「焼き」の全工程を材料を入れておくだけで全自動でやってくれるために、つきっきりでいる必要がないのだ。4時間くらい放置して、ピーと鳴ったら出来上がっている、夢のような機械。

HBが来た日にはケーキを作っていたため(母の誕生日だった)断念し、その次の日は買ったパンがまただくさんあるというので止められ、こつこつ消費していたところ、今日は母が更にパンを買ってくるという暴挙に出たため断念せざるを得なかった。まったく、私にパンを作らせまい、県内トップシェアは譲るまい、としているのだろうかと勘ぐるのも無理はなかろう。
そんなわけで、未だ彼の仕事を見ていない。


そして、世間の主婦の皆さんのように、パンをこねるという人間の営みを機械化する方向に、我が家の時代も移り変わってゆく。
さびしいことだ。

そういえば、永い人が、パン作りをやめたんなら、次は何を作ってるんですか?という質問を何度もしてきたので、後半は無視したなあということを思い出した。私に一体何を求めているのかしら。彼の中の私は何職人かを目指しているのかしら。
永い人は声が大きいので、普段はうるさいのだけど、船に乗っていてエンジン音がうるさいところでは聞こえやすくていい。でも同じ話を何回もされるのには閉口する。まあ、永い人の話は、もういいや。


最近書くことがなくて。
無感動の日々、再びである。
パンでも作るよりほかに、ない。こともないけど。

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