August 23, 2009

動機

動機 (文春文庫)/横山秀夫

これから何作も読むことになるであろう作家。
半落ち、出口のない海、臨場、クライマーズ・ハイ、の作者。
というか、今まで読まなかったのはきっとあまりにドラマ化、映画化されていたから、というのがあるのだろう。私にはそういうところがある。知らない作家の話題作は読まないというか。なんなんだろうなこの心理。
幸いにして、ドラマも映画も観ていないので、普通に読もうと思う。

なかなか好きな作家に出会えることは少ないので、素直にうれしい。
エンタメではあるのだけれど、それもともかく描き出す現場感とでも言おうか、そういうのがかなり好み。
特に新聞記者の話は、というか、別の作品になるが「クライマーズ・ハイ」は本当によい。や、本は読んでいないのだが、とにかく映画はいい。怒号、とか、罵倒、とか、嫉妬、出し抜くこと、その中に守ろうとする信念、とか。男くささ、ロマン、そんな中で生きている女性記者の姿も少なからず描き出されていて。まあ、格好いいわけだ。新聞に対する見方が変わった。

裁判官の話も出てくるのだけど、実際はああではないのじゃあないか、とは思う。高圧的な人はいるかもしれないが、基本的に品のある人々(良かれ悪しかれ)というイメージがある。私とて現場は知らないのだが。

最初の二作「動機」「逆転の夏」が面白い。

No comments:

Post a Comment