October 11, 2009

イノベーションというのは、往々にして起こそうと思ってそうなったわけじゃないんだよ

暑い暑いと言いつつも、秋めいてきている今日この頃。沖縄はやっと、秋です。
沖縄の秋は短い。たまに夏に戻ったりしてると、すぐに冬になる。

長崎で見た影絵の話とか、本当は書きたいのだが、気分的に違うので、先のメモを消化してみたい。

「もし~」前提の話、というやつ。
これははてブで見つけた。面白い。

広告β:一方ロシアが鉛筆を使うには


無断で引用。(あとで断っておこうかな)

以下引用----------------------------------

ちょっと好きなジョークがある。
アメリカのNASAは、宇宙飛行士を最初に宇宙に送り込んだとき、無重力状態ではボールペンが書けないことを発見した。
これではボールペンを持って行っても役に立たない。
NASAの科学者たちはこの問題に立ち向かうべく、10年の歳月と120億ドルの開発費をかけて研究を重ねた。
その結果ついに、無重力でも上下逆にしても水の中でも氷点下でも摂氏300度でも、どんな状況下でもどんな表面にでも書けるボールペンを開発した!!
一方ロシアは鉛筆を使った。
実話ではないらしいが、なにか、重要なことが含まれているような気がする。

トヨタだったか、彼らは「なぜ?」を5回繰り返すという。徹底的に考えて、カイゼンを進めていく。この徹底した態度は重要だ。しかしこれとはまた異なる、デザイナーの考え方が好きだ。彼らは、「なぜ?」から入っていって、最後は「もし~だったら」で出てくる。

冒頭のジョークでいうと、無重力状態でボールペンが書けないというところで「なぜ?」がはじまる。このまま「なぜ?」を繰り返すと、インクが無重力では機能しない、というところへ行き、そこからインクの液体としての特性がどうのこうの、という方面に解決を求めていくのだろう。でも、「なぜ?」を繰り返すと、袋小路に入っていくことがある。どこかで、「もし」を使わないといけない。「もし、ペンでなくてもよかったとしたら」。

以上引用----------------------------------


以前に、そのトヨタのWhy5回、というのの関連で、「なぜ」についてというのを書いた。
「なぜ」には複数の意味があって、かつ主体と客体で分かれるという話。
そういう整理をすれば、結構「なぜ」は使える、と個人的には思っている。


で。上記引用の、「なぜ」ではなく、「もし」が必要、という話だが、たとえば、「鉛筆で書けばいいじゃん」という発想は、「もし、ペンでなくてもよかったとしたら」というのの次にくるもの、ではある。
しかし、「なぜ、ペンでは書けないのか」→「重力の力を受ける、インク(液体)だからだ」→「インク(液体)じゃなければいいのだ」→「固体、たとえば鉛筆で書けばいいじゃん」という解の出し方もある。というか、そうなるよね。

で、このジョークの話においては、この「なぜ」より「もし」論法は当てはまらないんじゃないかなという話。引用の後に続くコロンブスの卵の話もそうだ。
いや、「なぜ」から入って「もし」で出てくる、で合ってるんだけど、「もし~でなくてもよかったら」で出てくる、だ、厳密に言えば。
つまり、「なぜ」という原因をつきとめて、その原因というか制約自体を無くせるとしたら?という発想パターンか。


と、いう風にまあ結局のところ、この、なぜ?なぜ?を繰り返すというのは、ある程度有効である。カイゼンと言われるように、既存のものやシステムなんかの「改善」には有効だ。
ただ、仕事をしてた時に、なぜを5回繰り返しても、ある狭い点にしか辿りつけない、と思った。複数あったとしても、それは狭い範囲に過ぎない、と。
で、多分、その「なぜ」で行き着いた場所の制約を否定したりしてみても、やっぱり画期的なことは起こらないことが多い。それは外せない制約だったりすることがほとんどだし。

イノベーションというのは、「なぜ」とその制約の否定「もし~でなかったら」だけでは辿りつけないものなんじゃないか、と思う。かといって「もし~でなかったら」ではなく、「もし~だったら」で辿りつけるかといったら、そういう文法を使ったからといってイノベーションを起こせるわけではないと思う。というか、「なぜ」に続くのは、現状を表す言葉だけど(「なぜやせないのか」とか。)「もし」って思ってみたところで続く言葉が見当たらなくて、その先がまさに欲しているアイディアなわけで、それを思いつくためのハウツーが求められてるんだっつの、ていう話なのやもしれぬ。

妄想力、もしくは貯蔵力とリンク力な気がするな。

妄想力って、つまりイメージする力なんだけど、私はこれが欠落しているので、これ以上説明できない。つまりこう、すごいことしてる人達って、こういう服があればいいなとか、こういう音楽があればいいなとか、こういうシステムがあればいいなとか、こういう世界があればいいな、ってイメージできる人なんじゃないかと思うのだ。推測。

で。もう一つの貯蔵力とリンク力ってのは。
いろんな発想、とか、構造、とか、構図、なんていうのの粋というか、本質を知っていて、それを貯め込んでおけるということ。
そしてそれらを縦横無尽に組み合わせたりすることができるということ。まあここでもイメージ力必要なんだけれども。

後者の方がトライはできそうだなとか思う。まあ何にせよ、インプットがないと話にならないな、と思った次第。創り出すというのは、本当にすごい。

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