November 5, 2009

家族と暮らすこと。共有。

家族で住むってことは、我が家の場合だけれども、何でもシェアする、ということなのだなと、体感をもって思った。
昔、NHKで「グーとスー」っていうアニメの1コーナーがあって、グーとスーは兄妹で、その歌の中に、「楽しいことはふたりぶん、悲しいことははんぶん」ってフレーズがあったけれど。

楽しいことは倍々で増える。増幅される。
喜んだり感動したりっていうことは、シェアすることによって(なんか「シェア」って言うと一定数のものをなんとなく割り算してる気がするので、「共有」にする)、ふくらむ。伝播して発展してそれが返ってきてという具合。それはどんなコミュニケーションでもそうで。

苦しいことや悲しいことは分け合える。
聞いてもらうだけですっきりするとか、今はあんまりないけど、小さい頃嘘をついた苦しさや、学校でのいやなことを母親に打ち明けたりすることは、それ自体が何かの解決にならなくても、心の軽くなることだったな、なんて思いだす。
今ではあんまり言わない。というのは、言っても仕方がないって思うからで、言うことによるすっきり感よりも他者に分けてしまった感情だとかを考えて自己嫌悪したり負荷をかけてしまうこととを天秤にかけて、言わなくなっているのだろうと思う。言うことでそんなにすっきりもしなくなったというのもある。
まあそれだけのものを抱え込むだけのキャパシティを年々得たということなのだろう。そういう意味でのスペックは上がっている気がする。まあ少し前にこのキャパを見誤ってしまったわけで、やっぱり未熟者なわけだけど。

それでもある点を超えるとやはり、涙とか感情というのは言葉と共に溢れ出すもので。そういったものを家族と一緒にいると、どうしても共有する。
うちは三姉妹なので、構成として男女比が1:4で。
少し前に、こういう話を見かけた。
女性と男性のコミュニケーションの違い。
女性は「同調」、男性は「要点」なのだと。
女性は、こうこうこうでね、と話す時に、相手に同調を求めている。愚痴だったら、「それはひどいね」とか「つらかったね」とか、そう言った言葉をまず期待する、と。
で、男性の場合には、こうこうこうでね、と話す時に、相手には要点を求めている、らしい。「それはこういうところが問題なんだね」とか「こうしたらよくなるんじゃないか」とか、整理してあげるというか、彼の話の要点をつかんでくれたのか、ということを重視するようだ、と。
なかなか当たっているのではないかと。思う。
まあ、どちらも求めている、というのはあるけれど、比較的こういう傾向はある気がする。
女性は急に解決法を語られても、「同意してくれないの?私の気持ちわかってくれなかったの?」と思い、男性は同調されたところで「いや同調してくれるのはありがたいけどほんとにわかってる?なんかアドバイスくれよ」と、思う、ような気がする。結論重視というか。いやわかんないけどさ。
でも実際、女性と話す時はまず同調っていうのは一つ、あると思う。と、両親を見ていて思う。まあ家族をみていて思う。

で、ネガティブなものを共有する時というのもそれは結構大事だと思うわけで。
私はどちらかというと、「誰かの不幸せに 僕の涙はいらないから」的な考え方をする方だから、頭の中自体は、この同調するというのをすっとばして、その問題を解決するにはどうすればいいかを考えているのだけど。
そして同調しすぎて自分まで感情自体を共有してしまうのはできれば避けたいと思っていて。いいことがないからだ。一緒に悲しみにくれたところで、何も解決しないし状況も変わらない。悲しい気持ちの人が一人増えただけだ。自分のパワーも落ちる。
こう考えるのは、多分、自分が人の感情に同調しきれないからだ。正当化のために頭に置いている考え方だ。ある程度意識的に。そしてそれにコンプレックスを抱きながらも、ある場所では強みになるだろうと思っていた。結構ポジティブだな自分。

それが、ここ最近おかしい。
一緒に苦しくなったり、悲しくなったりすることがある。勿論話を聞いた段階で、ある程度の感情のゆらぎみたいなものはある。けど、それはあくまでそういう感情を念頭に置いた上で考えようという一つのデータ的な位置づけだった。それが持続したり、まして自分まで落ち込むなんてことはありえなかった。

という体験をしているな、という記録。
何にせよ、生きてるうちにいろんな感情を体験するのはお得だと思っているので、よし。そういういろんな体験って、ゲーム感覚で言うと、マテリアとか集めてる感じで。いろんなケースにあたることで、バリエーションも増えるし。それは人との出会いも、やりとりもそうだし、場所も、ものも、それらで得られる感覚や感情や、概念や。いろいろ。
だからそれらを忘れたくなくて、こうやって不完全ながらも文章に残したり、写真に収めたり、健気な努力をして、自分の人生でのいろいろをコレクションしてるのかもなと思う。

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