June 25, 2010

わがまま(trial)

またもや、で恐縮だけれども、内田さんとこの文章。
直近のリンガ・フランカも共感することしきりだけれど、その前のエントリ。
内田樹の研究室:幼児化する男たち
なんだろうね、この

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かつて「私と仕事と、どっちを愛しているの?」と訊くのは専一的に女性であった。
ただし、女性にとってこれはあくまで修辞的な問いであり、この問いの含意はストレートに「そんな『くだらないこと』してないで、私と遊びましょ」というラブリーなお誘いであった。
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っていうところがいい。まあこの文章の本旨と直接には関係ない。


ここ30年弱、かつ、意識的に生きているのはここ10年くらい、という、この世歴の浅い私にとって、男たちが本当に幼児化しているのかどうかは検証できないが、男の人が幼いところを多分に持っているということは感じている。
で、それは生来のものであって、女の人が生来ある程度感情的だとかなんだとかいう(いまいち把握してないが)ものを持っているということと同じように、責められないことではある。むしろ、おそらくは、女性の多くがその幼さに惹かれてしまうのであり、幼さ自体はまあいいや。多分、わがままだっていうことが、問題になっているのだろう。
わがままな男が意外にもてる、というのは、ある。多分。俺様好きな女子というのは、一定数いる。かつ、俺様好きではないと思っていても段々そういう風になってしまうことというのも、ある。構ってほしいんだな、かわいいな、などと思ってしまうとだめである。そういうのを巧みに使う男の人というのはこれもまた一定数、いる。
まあとにかく、「オレと仕事とどっちをとるんだ」なんていうのは端的に格好悪いと思う。
放っておかれてラッキーくらいで丁度いい、気がする。


で、わがままについて。
わがままについて書いてみよう、と先ほど思い立ったためである。

わがまま、という字面を見てると、変な単語だなと思う。ブブゼラみたい。

江國香織が、今はどうだか知らないが(多分今もそうだと思うけど)、昔甘やかすということについて書いていて、甘やかすことは素敵だと言っていた。大人なんだから、夫婦なんだから、甘やかしていいじゃない、そんなになってまでしつけをするなんてばかばかしい、とまでは書いてないかもしれないが、まあそんな感じ。
思うに、彼女は極端に甘やかしすぎだ。具体的にどういうことを許しているからとかそういうのは実際を知らないからわかんないけど、つまり、そういう風に思っている時点で。甘やかしを全面的に肯定している時点で。彼女の小説、特に、夫婦の描写(「赤い長靴」「思いわずらうことなく愉しく生きよ」)なんかはもうそんな感じがするし。ていうか後者DVだし(各家庭それぞれあるだろうけれど、このケースは甘やかしなのだ)。

なんかこういう風に書いていると、女の人が男の人をしつけるみたいな口調だけれど、そういうわけではない。いや、そういうわけなんだけど、そういうわけではない。物事というのはいろんな面があるのだ。手のひらで転がしている、と思っていることによって転がされている、というパターンもあるわけだし(友人はよくこれを言っていた。自分が彼を手のひらで転がしてるって思わせるように、転がしてほしい、って。)。


で、わがままね、わがまま。
私は結構わがままである、多分。棚に上げるのは常套である。自覚はあまりないけど。
昔、付き合っている人に、「わがままだ」と言われて、「『会う』こと以外でわがままを言ったことはない。バッグ買ってとかどっか連れてってとか。だからわがままじゃない。」と言い返した覚えがあるのだが、多分むしろそういうわがままの方がかえって楽だったかもしれないと今思う(その人はやさしかったのでそこで「そう言われればそうだな」と言って終わった)。だって会う時間を割くということはその時間他のことをしたり誰かに会うということを犠牲にしろといっているわけで、それって結構重大。時は金なり、いや金以上なり。
昔はよりわがままだった、という話。それこそ私も「会いたい」というわがままを言えるから恋人は恋人たりうるのだと思っていたし。


わがままを言わないようにするというのは結構大変である。
大体、それがわがままかどうかというのはボーダーが曖昧である。言い方次第な感じもする。わがままっぽく言えばそう聞こえるし、そうじゃないように言えばそう聞こえない。

結構書けないもんだな。ギブ。
自分自身がわがままについて肯定的態度をとっているのか否定的態度をとっているのかいまいちわからないからだと思う。厳しくしてるようで意外と甘いのである。塾でもそう思う。遺伝だな。母も厳しいようで意外と甘い。ということがわかってきた。

ああ、そういえば斜陽読み終えた。感想を書くかもしれない。

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