February 16, 2010

満足度

最近、ちっとも結婚できる気配が無いなと思っていて。
結婚できないんじゃなくしないんだ、と思っても、その理由は「結婚とか興味ない」とか「結婚なんてそら恐ろしくていや」とか「相手を厳選しないと無理」とかなわけで、それってとても「結婚なんかできない」ってことじゃんと思った。
「したいけどできない」とは違って「したくないからできない」なんだけれど、こういう違いって例えば小学校の鉄棒のさかあがりなんかとかでは区別しないよなとか思う。さかあがりは「彼はできないんじゃなくてしないんだ」とかいう言い方はしなくて「彼はさかあがりができない」と言う。まあそれはいつか深掘るかもしれない。

で、関連で、最近NHKの「無縁社会」(全部は観てない)で、孤独死などが取り上げられていて。結婚せずに独身でいるとこうなるのか、とか思って我がことのように思っていた。
誰にも看取られないとか誰にも死んだことに気づいてもらえないとかいうことが結構悲劇的に描かれていて。部屋は荒れ放題、業者が入って遺品を片付ける。そういうのを観ると、確かにその人が死後「かわいそうに」とか「汚い部屋だ」とか思われるということはあんまり本人にもよくはないと思うけれど。
それより先日日経ビジネスWeb版で読んだ記事の方に共感できた。
日経ビジネス:「孤独死」はそんなに大きな問題か

誰にもその人の人生がある。誰かの人生を犠牲にして皆介護をさせるのが善か。という問いかけ。その人は介護で働けなくなるしその分生活もきつくなる。家でいつも看ていなければならない。
昔付き合っていた人は、それを普通に言っていた。結婚したら親の面倒を見てもらわなきゃ困る。今は女性が仕事を続けるのが認められてきたけど、昔は家にいるのが当たり前で、人間というのはそれが当たり前だと思っていれば何の不満もなく過ごせるものなんだ、と。だからそれが当たり前だと思えばいいじゃん、と。まあ私は私で自分の親もいるんだけど、と思っていて。

私も、本人が本当に「それが当たり前」だと思っているのなら別にいいと思う。し、「そうしたい」と思ってそうしているのなら尚更いいと思う。その人が選んだ人生だからだ。
親をちゃんと介護したくてしている人だって多分沢山いる。最期までしっかり恩返しをしたいという気持ちだってあるだろう。
その一方で、介護される側にも多分そういう気持ちがあるはずで。「子供にも家族や仕事があるから仕方ない」とか「自分ひとりでいたい」とか「迷惑をかけたくない」とか。選んだ孤独死も、あると思う。
看取られるというのは介護を受ける者が皆そうというわけではない。タイミングの問題もある。祖母が先々月亡くなった。認知症と老衰で病院に入っていて、子供たちが皆いないときに、眠るようにして亡くなった。離島だから、子供たちが皆すぐに駆けつけることもできなかった。私たちが行ったときはもう通夜が終わって棺に寝かされていた。人形みたいだった。


大切なのは、多分、その人がその人生に満足していたか、だと思う。
それは本人以外にはちゃんとはわからないけれど。
どんな問題でも、それを物質的に補完するということが重要なんじゃなくて、その人の主観を補うことが必要なのだと思う。
もし無縁社会が問題なのなら、孤独死(一人で死ぬこと)が問題なのではなくて、孤独なのが問題なのだと思う。私たちは時間と費用をかけずにコミュニケートする手段をこんなに発明している。シンガポールだってニュージーランドだって瞬時につながる。いっぺんにたくさんの人に言葉を送れる。多分その意味で無縁社会(というか孤独)は改善される、と思う。
経済的な問題は経済的な問題としてやるとして。
でも、体が動かなくてごみだらけの部屋に住んでいるお年寄りというのは、見ている側としてなんとかしなきゃ的な光景ではある。うーん。どうなのだろう。実感として、働いている時はそういう隣近所とお付き合いできる時間と体力って無かった。いろいろ足りなくなっちゃったのはなんでだろう。
まあいいたいことは、主観的な満足度というのをもう少し重視したらどうだろうということ。


ちょっと違う話だけれど、基地の問題もそうだと思う。
これはもはやこじれてしまっているので難しいけれど、基地問題は基地があるということ以上に、沖縄県民の被差別感情が重要なのだと思う。防衛上の問題も、日米関係の問題も頭ではわかる。日本国民という立場レベルでは、どっかに置かなきゃ収拾がつかないというのも地の利的に沖縄がいいのもわかる。日米安保はもしかしたら軍事費的にも防衛的にも国益に資しているかもとも思う。多分そういう説得をしたって問題はなくならない。そこじゃない、と思う。

まあどの問題でも。物質的に補完するということは際限がない。カスタマーサティスファクション。結果より過程というか。
でも結局結論でないので、これは継続で。

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