August 6, 2012

テマヒマ展

テマヒマ展へ行ってきた。
http://www.2121designsight.jp/program/temahima/

東京は六本木、ミッドタウン敷地内の21_21designsightでの展示。
森美術館ではアラブ・エクスプレス展をやっている中、こちらは東北の食と住にスポットを当てたものすごく堅実な展示だ。

展示自体は至ってシンプルで、基本的には7本のショートムービーと、55個に及ぶ現物の展示という構成。
それなのに、ものすごくよかった。
まずムービー。絵の録り方のセンス、音楽、ものすごくバランスがいい。
リンク先の映像を見てもらえばすぐにわかると思う。
そして現物の展示。本当に展示の仕方がものすごくうまい。展示物の並べ方、照明、配布物。
ただ東北の人たちが日常的に使っているもの、食べているものを並べただけなのに、その細部に宿った美に気づき、それをしっかり来場者に伝えることができている。
だって、イワナの縄で吊るされたものや凍み大根のぶら下がっているのすら美しいのである。(同じことをNHK教育の「デザインあ」でも思う。)

もちろん、その対象自体に美しさが内在しているのは大前提である。それにしても人間が具体的にどのように暮らしているのかを目の当たりにするということが、いかに心を打つかということを思うのである。

今回は「東北の食と住」がテーマだったのであって、もちろん横展開しようと思えばできるわけだけれど、もしかしたらその地域ごとに見せ方、見せるものというのは変わっていいものなのかもしれないと思った。もし地元を見せるとしたら、最も美しく、それを最も効果的な方法で見せる方法は何か、というのを考えるのは何かのとっかかりになるかもしれないと思う。