March 7, 2015

大友さんがいい人だということ

2/22に 音楽と美術のあいだ/大友良英@ICC 最終日を見に行った。
http://www.ntticc.or.jp/Archive/2014/Between_Music_and_Art/index_j.html

あまちゃんの前から知ってはいるけど、大友良英の音楽をよく聞いているとか、注意して活動を見ているとか、そういうことではなかったので、平日疲れていてICCまで行くのは正直ちょっとしんどかったのだけれど、ニシカワ君の
「でも、大友さんいい人だよ」
に押されて、行ったのだった。

展示は2つあった。
・guitar solos 1
 ICCの階段の両サイドに8対、計16個のスピーカーが設置されていて、それぞれからギターの音がする。メロディーではない。タイミングや場所で聴こえる音が違う。ずっとうろうろしていたい階段。

・quartets
真っ暗な大きい部屋の真ん中に白いキューブ。キューブには部屋の各側面から影が投影されていて、楽器をさわったり声を出すアーティストの影が映る。それぞれが出した音も流れる。ただし、それは一緒に録ったものではないし、それらを投影する時間的配置はコンピュータが制御していて、常に違う組み合わせの音が、アーティスト本人たちはそこにいないのに即興演奏が生まれているという展示。

そして最後にいろいろなアーティストや評論家の、「音楽と美術のあいだ」についてのショートエッセイが壁に書かれた部屋。

そしてクロージングのトークイベント。
大友さんは、いい人だった。
下記まあだいたいこんなこと言ってたな、っていう文字起こし。全然正確じゃないけど多分だいたいこんなこと。

「音遊びの会、ってやってるんだけど、トロンボーンの藤本君なんかもうめちゃくちゃなんだけど彼にしか出せない音でぶわっと吹くの。」
(※音遊びの会:即興表現を得意とするアーティスト、知的に障害のある人、音楽療法家たちが集まった音遊びの会。)
「チャーリー・パーカーとかやんないとフリージャズやっちゃだめだって言う人とかいるんだけど、そういうのって絶対嘘だよね。できるもんね。そうやって縛るのって良くないと思うんだよね。」
「下手でも何か習ってなくても、音楽やっていいんですよ」
「高校生の時にレコード屋行って、クリスチャン・マークレーの『レコード・ウィズアウト・ア・カバー』っていうレコード買ったんだけど、名前の通りカバーが無いの。それでどんどん傷ができていくんだけど、レコードに針落とした時に聴こえるノイズが、元々入ってたものなのか後でついた傷によるものなのかがわかんなくて最高にカッコいいって思ったんだよね」
「もうジョン・ケージがこう言ってたとかで話すのやめようよ。ジョン・ケージ禁止!もっと自分の頭で考えようよ。」

あとはいろいろ、場から音楽が生まれる話とか、ライブハウスの端っこにそれぞれ演奏者を離して即興やると、おもしろいとか。
音楽家だから音楽の話を中心にしていたけれど、もっと根本的に、人間がやりたいこと、楽しむこと、何かをする(またはしない)自由について、ものすごく真剣というか、それを制限したり縛ろうとするものに対する強い反発が感じられて。
それを自由にしたいのにいろいろなものに縛られて躊躇したりしてる弱い立場の人達にとことんやさしいというか。

ほんと大友さんいい人だなー、と思ったことを書いとかないと、と思った。
書いたー。