December 23, 2009

ワセダ三畳青春期

ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)/高野 秀行
読中。

面白い。早稲田に住んでなくともわからなくない。
三畳一間のアパートとはよく言ったものだけど、それだけじゃなくて、起こってるエピソードが面白い。
そして11年間そこに居つづけ、世界を旅し、7年間大学生をしていた筆者になんだか励まされる。

その本の話を少しすると、いつもの永い人は(なんかやたら沖縄にいるのだ)似たようなエピソードを語ってくれて。無断転載。


彼は、「衣食足りて礼節を知る」という言葉から、「住はもしやいらないんじゃねーの」的なことを思い、「俺は住を放棄する」と高らかに宣言し、賃貸借契約を解消してしまった。多分22歳くらいの時だ。
そしてしばらく公園とかファミレスで夜を明かしていたが、季節は冬、風邪を引き、さすがに「住は必要だ」と思うに至り、大学近くの不動産屋に入って「安いやつから順番に見せてくれ」と言った。
最初に連れて行かれたのは一階に老夫婦のいる下宿。一階部分は6畳。至近距離にねぎを刻むおばあさんがいて、不動産屋さんが「こんにちは」と言うも何故か完無視。二度言うも完無視。「今日はダメみたいです」という不動産屋さんをせきたて、二階に上がると、6部屋ある。つまり1部屋1畳。「1万6千円です」。それで、やめたらしい。
結局彼は4畳半の部屋に住んでいたが、風呂もなし、寒さが厳しいので暖房に光熱費がかかり、ある日銭湯代と光熱費を計算してみたら6万を超えており、それでなぜ世の人々が6万も7万もする部屋に住むのか実感をもって納得がいった、という話。
でも結局そこに2年住んでたという話。

それ本とかにできますね、と言うと、早稲田なんてそんな人いっぱいいるんだよ、との答え。確かにそんな気もする。私の周りにいなかっただけか。


あとはひどい先輩の話も聞いたがそれも面白かった。ひどかった。
麻雀やってて彼女を2時間待たせて、待ち合わせ場所に行ったが、もうパチンコの時間だったので彼女に「5千円貸して」と言ってすぐに立ち去ったとか、彼女の実家に住みついてぷらぷらしていたので彼女の父親が心配して職をあてがったところ、就職してすぐに彼女と別れるなど、あまりに自由すぎる。
それで私が嫌だと思っていたまちがって付き合ってしまった人も、そんなにひどくなかったのかなと思える次第。上を知るのはいいことだ。


それでなんだか楽しくなった。いい本です。

No comments:

Post a Comment